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転職体験記|ケース11|人材業界からEdTechへ。28歳で選んだキャリアチェンジ

コーリング株式会社 代表取締役 佐々木です。

今回は、ある方の転職活動について、実体験を伺いました。

なお、このシリーズでは、
必ずしも当社が採用決定までご支援した方のみを取り上げているわけではありません。

実際に転職を経験された方や、
転職活動の途中にいらっしゃる方など、ご本人の了承を得たうえで、実体験を共有しています。

すぐに答えが出る話ではないかもしれませんが、
転職を考え続けている方にとって、
ご自身の状況を整理するための一つの材料になれば幸いです。

プロフィール(匿名)

・転職者:Kさん
・転職当時:28歳
・転職前:大手人材サービスグループ企業/求人広告営業
・転職後:EdTech(エドテック)企業/フィールドセールス

――転職を意識し始めたきっかけを教えてください。

前職は、人材領域で複数の事業を展開している会社でした。
人材紹介コンサルタントを経験し、その後は現場経験を活かして自社採用の人事業務にも携わりました。
さまざまな機会に恵まれましたが、転職前は求人広告の営業を担当していました。

そのなかで感じていたのは、求人広告媒体の縮小です。
また、顧客への貢献という点で、自分自身の中で納得しきれない場面が増えていきました。

顧客に導入いただいても採用につながらないケースもあり、その結果を見るたびにもどかしさもありました。
これは自社商品だけの問題ではなく、求人媒体というビジネスモデルそのものの課題でもあると感じていました。

一方で、この事業部は社内でもまだ立ち上げ期にあり、自由度の高い環境でした。
自分で考えて動けることには成長実感もあり、やりがいも感じていました。

そうしたもどかしさとやりがいの両方を感じながら、
これまでの経験や今後のキャリアについて、改めて考えるようになりました。

――違和感が決定的になった出来事はありましたか?

やむを得ない事情ではありましたが、次の人事異動の話がなくなったことがきっかけでした。
会社が悪いわけでも、組織が悪いわけでもなく、タイミングが重なってしまったという印象です。

その影響もあり、求人広告営業の業務に対して、どこかエンジンがかからない状態になっていました。
全力で取り組めていない自分を感じる場面もありました。

また、人材業界ということもあり、周囲のメンバーが転職していく様子も見ていました。
話を聞くと、多くの人が知名度のある企業へ転職し、報酬面も上がっているケースが多かったのです。

一方で、残っているメンバーの状況は厳しいものでした。
売上は伸びず、営業目標も達成できない。
その結果、賞与やインセンティブが出ない。
労働時間だけが長くなる。
頑張っても成果が上がらないという悪循環が続いていました。

もし状況を打開する戦略が示されていれば、また違ったかもしれません。
ただ、実際に出てくる方針は、商談数や顧客接点をとにかく増やすという、いわばパワープレイに近いものでした。

現場で働くメンバーを通じて社内外の状況も見えてくるなかで、自分のキャリアについて改めて考えるようになりました。

――当時、転職活動はどのように進めていましたか?

エージェントは複数社利用していました。
そのなかでも、特に一社とは密にコミュニケーションを取っていました。
会社というよりも、担当してくださった方とのフィーリングが合っていたことが大きかったと思います。

私より年齢がかなり上の方でしたが、とても気さくで面倒見の良い方でした。

企業への応募については、安易に数を増やすことはしませんでした。
時間をかけたのは、自己分析です。

転職を決めたとはいえ、

・自分に向いている仕事は何か
・これまでどんな経験や知識を得てきたのか
・どんなときにモチベーションが上がるのか
・逆に何にもどかしさを感じてきたのか

など、さまざまな視点から整理しました。

さらに、価値観や今後のライフイベントなども含めて考え、自分なりに言語化していきました。

こうした整理を行ってから応募先を絞ったため、その後の選考は比較的スムーズに進み、入社を決めることにしました。

――最終的に、どのように意思決定をされたのでしょうか?

私は当初から、EdTech(エドテック)領域への関心が強くありました。

人事業務を経験した際、主に採用を担当していたのですが、なかには早期退職になってしまうケースもありました。

そのときに感じたのは、候補者の能力や思考の問題というよりも、受け入れ側の組織状況や風土、
体制が影響しているケースもあるということです。

ヒトと組織の関係を考えたとき、組織をつくるのは一人ひとりの人材です。
そうであれば、自分自身もそうした領域に影響力を持てる存在になりたいと思うようになりました。

また、自分の成長という観点でも、転職前の環境にはなかったSalesforceやSlackなどのビジネスツールを使える環境で働きたいという思いもありました。

整理すると、転職活動の軸は次の二つです。

・同じ人材ビジネスではなく、新しい領域に挑戦できること
・法人営業として、自分の強みを活かして価値提供できること

内定が出てから悩むというよりも、
「この会社に入るためにどうするか」という視点でエージェントともコミュニケーションを取っていました。

――いま振り返って、当時のご自身をどう見ていますか?

実際に転職してみて、当時の選択は正解だったと感じています。

もちろん、不安はありました。

・入社後に活躍できるだろうか
・SaaS業界は今後も伸びるのだろうか
・スタートアップフェーズの企業に馴染めるだろうか
・給与は将来どれくらい伸びるのか

など、不安と期待が入り混じっていました。

ただ、結果としてそれらの不安は杞憂に終わりました。

――近しい境遇の方へ、何か伝えるとしたら?

20代後半や、まだ転職経験がない方にお伝えするとしたら、「長期の利を取る」という視点も大切ではないかと思います。

転職すれば必ず年収が上がるわけではありません。
しかし、目先の報酬だけを理由に転職を躊躇してしまうと、将来の成長機会を逃してしまう可能性もあります。

これから所属する業界や組織、自分自身のキャリアによっては、将来の報酬や成長機会が大きく広がることもあると思います。

また、20代の段階で「自分はこれが強みだ」と決めつける必要もないのではないでしょうか。
経験を重ねるなかで、強みや適性は変化していくものだと思います。

実際に、どれだけ努力しても成果が出ない環境にいるのであれば、場所を変えることで適性が見えてくることもあります。

私自身、転職前にグループ内異動で事業立ち上げフェーズの組織を経験しました。
異動前後では、社名力や組織体制などの違いもあり、
同じ会社の中でも環境によって仕事の難しさや成果の出方が変わることを実感しました。

その経験を通じて、
「どこで働くか」という環境の要素は、キャリアを考えるうえで想像以上に大きいものだと感じています。

編集後記

今回のケースは、人材業界で複数の職種を経験した後、EdTech企業へキャリアチェンジされた事例でした。

印象的だったのは、求人広告営業として現場で顧客と向き合うなかで、
「自分はどのような価値を提供できているのか」という視点から仕事そのものを見つめ直していた点です。

また、転職活動において時間をかけて自己分析を行い、自分の経験や価値観を丁寧に整理していたことも印象に残りました。
その過程で見えてきたのは、短期的な条件だけではなく、これからの成長機会や環境との相性を重視するという考え方でした。

キャリアを考えるとき、目の前の環境や条件に意識が向きがちですが、
どの環境で自分の力を発揮できるのかという視点は、長く働いていくうえで重要な要素なのかもしれません。

― コーリング株式会社 佐々木陽一

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