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転職体験記|ケース03|エグゼクティブ領域に特化する中で感じていた違和感

コーリング株式会社 代表取締役 佐々木です。今回は、ある方の転職活動について、実体験を伺いました。
なお、このシリーズでは、必ずしも当社が採用決定までご支援した方のみを取り上げているわけではありません。実際に転職を経験された方や、転職活動の途中にいらっしゃる方など、ご本人の了承を得たうえで、実体験を共有しています。
すぐに答えが出る話ではないかもしれませんが、 転職を考え続けている方にとって、ご自身の状況を整理するための一つの材料になれば幸いです。

プロフィール(匿名)

・転職者:Cさん
・転職当時:46歳
・転職前:人材紹介会社/エグゼクティブコンサルタント
・転職後:総合人材サービス企業(人材紹介事業)

――転職を意識し始めたきっかけを教えてください。

当時の環境としては、
ワークライフバランスもよく、職場の居心地も悪くありませんでした。

一方で、仕事の中で少しずつもどかしさを感じるようになったのも事実です。
私はエグゼクティブ/上級管理職の領域を担当していましたが、
その領域に限定せず、もう少し仕事の幅を広げたいと考えるようになりました。

正直なところ、家庭の変化も影響しています。
子どもも大きくなり、これから先の生活を考えたときに、
基本給を上げたいと思うようになりました。

インセンティブ制度は充実しており、
成果も出していましたが、
基本給そのものは決して高い水準ではありませんでした。

――違和感が決定的になった出来事はありましたか?

エグゼクティブ領域の仕事自体には、
やりがいや充実感を感じていました。
経営層のお客様から学べることも多かったです。

ただ、顧客から
「自分の部下を採用したい」
と相談を受けた際に、
「その領域は私の担当外です」とお断りせざるを得ない場面もありました。

エグゼクティブ領域を担当している以上、
課長・スタッフレベルの求人やキャリア相談は、
別の担当者が対応することになります。

一気通貫で担当できない制限に、
自分自身としては、もどかしさが残りました。

もう一つ大きかったのは、
所属していた組織の戦略です。

総合型の人材サービス企業の中で、
私が所属していた組織は、
他の組織と比べて成長スピードが十分とは言えない状況でした。

そうした中で、
自組織の存在価値エグゼクティブ領域を担当していると、
クライアントに対して、
経営や組織戦略に踏み込んだ、
難易度の高い意思決定に関わる提案を行うこともあります。

一方で、所属組織の中では、
そうした戦略的な意思決定や変化が感じられず、
この先も大きな成長は難しいのではないかと感じていました。

業績が伸び悩むと、
「とにかく売上をつくる」方向に舵を切ることがあります。

エグゼクティブ領域以外の求人獲得方針が出るなど、
当初掲げていた方針との整合性に疑問を感じる場面もあり、
徐々に気持ちの中で違和感が大きくなっていきました。

――当時、転職活動はどのように進めていましたか?

エージェントを利用していました。

単に求人を紹介してほしいというより、
当時の自分の状況や気持ちを踏まえたうえで、
相談に乗ってもらいたいと考えていました。

その意味では、
以前から自分のことを知っている方とのやり取りが中心でした。

――最終的に、どのように意思決定をされたのでしょうか?

このままエグゼクティブ領域に特化して、
人材紹介の仕事を続けていくのか。

それとも、
エグゼクティブに限らず、
顧客の採用やキャリア相談全体に応えられる存在になるのか。

最終的には、
縦(職位・年収)だけでなく、
横(職種・役割)にも支援の幅を広げたい、
という自分の気持ちに向き合いました。

家庭の状況が変わり、
仕事により専念できる環境になったこともあり、
仕事のやりがいとともに、
基本給が現職以上であることも重要な条件でした。

もう一つは、
転職先組織との相性です。

人材紹介業の経験は長く、
担当してきた顧客の業界も専門特化していました。

そのため、
転職先には、
同じ領域を理解しているメンバーがいること、
ゼロからの立ち上げではないことを重視しました。

自分より業界理解の浅い方が上司になる環境は、
納得感の点で希望していませんでした。

――いま振り返って、当時のご自身をどう見ていますか?

結果として、
今回の転職には満足しています。

これまでの経験を活かしながら、
総合的な力を発揮できていると感じています。

実際、
エグゼクティブ領域以外の支援にも関わることができています。

営業という観点でも、
顧客との契約書の取り交わし一つをとっても、
自分なりの付加価値を意識し、
選んでもらえる存在であるよう工夫しています。

そうした意識や行動の原動力には、
当時、転職を真剣に考えた時間が、
良い影響を与えていると感じています。

――近しい境遇の方へ、何か伝えるとしたら?

私たちの世代に向けてお伝えするとしたら、
「自分は何者なのか」を、
一度立ち止まって考えることだと思います。

得意なことは何か。
不得意なことは何か。
何ができて、何をしたいのか。

30代までは、
さまざまな経験を積む時期でもあります。

マネジメントを目指すのか、
スペシャリストを目指すのか。
業界や職種を特化するのか、広げるのか。

普段、
採用やキャリアについて、
顧客や候補者に向き合っている立場だからこそ、
自分自身の納得感を大切にした方がいいと思います。

もし、
心のどこかに引っかかりや迷いがあるなら、
誰かに相談してみる。

それは、
自分のためだけでなく、
顧客のため、家族のためにも、
意味のあることだと思います。

編集後記

お話を伺いながら、
専門性を磨いてきたからこそ感じる違和感が、
丁寧に言葉にされていると感じました。

エグゼクティブ領域という強みを持ちながらも、
支援の幅を自ら狭めてしまっていないか。
その問いに向き合い続けた時間が、
今回の意思決定につながっているように思います。

— コーリング株式会社

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