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転職体験記|ケース02|転職サイトに依存しない採用支援への違和感

コーリング株式会社 代表取締役 佐々木です。今回は、ある方の転職活動について、実体験を伺いました。
なお、このシリーズでは、必ずしも当社が採用決定までご支援した方のみを取り上げているわけではありません。実際に転職を経験された方や、転職活動の途中にいらっしゃる方など、ご本人の了承を得たうえで、実体験を共有しています。
すぐに答えが出る話ではないかもしれませんが、 転職を考え続けている方にとって、ご自身の状況を整理するための一つの材料になれば幸いです。

プロフィール(匿名)

・転職者:Bさん
・転職当時:45歳
・転職前:人材紹介会社/シニアコンサルタント
・転職後:HRプラットフォームを有する総合人材サービス企業(人材紹介事業)

――転職を意識し始めたきっかけを教えてください。

大きく二つあります。

一つ目は、会社方針として転職サイトの利用を大きく抑制するという決定があったことです。
勤務していた会社は、業界でも知られた大手企業で、自社での集客力もそれなりにありました。
必ずしも転職サイトに依存していたわけではありません。

ただ、私が担当していた法人顧客への採用支援では、
実際には数割が転職サイト経由の求職者でした。

それを考えると、
これまでと同じような支援ができなくなるのではないか。
法人顧客への貢献度が、相対的に下がってしまうのではないか。
そんな違和感を覚えるようになりました。

二つ目は、中途採用の変化を強く体感するようになったことです。

私は約20年、人材ビジネスに携わってきました。
以前は、年間で数名規模の中途採用を行う企業が多かった印象ですが、
いまでは数十名、場合によっては100名以上を採用する企業も珍しくありません。

また、人材紹介会社だけでなく、
ダイレクトリクルーティング、リファーラル、アルムナイ採用など、
採用手段が明らかに多様化していることも実感していました。

法人顧客との打ち合わせでも、
必ずと言っていいほど「採用費」の話題が出ます。

こうした複数の要素が重なり、
本格的に転職を考えるようになりました。

――違和感が決定的になった出来事はありましたか?

いまの会社とのご縁をいただいたことですね。

実は、選考を受けたのはその1社だけでした。
その会社と出会い、ここで働こうと決めました。

前職は人材紹介専業の会社でしたが、
先ほどお話ししたように、採用手段が多様化する中で、
自分自身も、自社としても「人材紹介しか提案できない」ことに、
少しずつもどかしさを感じるようになっていました。

そのうちに、
人材紹介事業に限らず、HRプラットフォームとして複数の事業を持つ会社であれば、
法人営業として、より幅広い提案ができるのではないか。
そんな考えに気持ちが向いていきました。

もう一つは、
自分なりに市場や顧客を見て問題意識を持っているつもりでも、
勤務していた会社のメッセージやマネジメントが、
入社以来ほとんど変わっていないと感じていたことです(笑)。

首尾一貫した経営、と言えば聞こえはいいのですが、
変化がないことで、成長実感を得づらく、
どこかマンネリを感じてしまっていました。

――社外を意識すると、社内の見え方も変わりますよね。
そうですね。

人材紹介会社の成長を考えると、
売上を上げる社員数を増やす、というのは一つの要素だと思います。
ただ、毎年数十人、数百人と採用を続けると、
社内の大半が入社1〜2年程度の社員になります。

未経験者を育て、教えること自体は嫌いではありません。
ただ、社内の営業都合で、法人顧客に担当変更の連絡をし、
後任がうまく成果を出せなかった、あるいは退職してしまった場合、
「すみません、改めて私が担当します」とお詫びする場面もありました(苦笑)。

会社経営としては正解なのかもしれません。
ただ、現場にいる自分としては、正直苦しかったですね。

10年以上勤務する中で、
こうした自社の成長計画、採用計画、営業計画が、
本当に法人や求職者のためになっているのか。
そんな疑問を抱くようになりました。

――当時、転職活動はどのように進めていましたか?

転職サイトには登録しました。

同業者に見られるかもしれない、という抵抗感は、
正直あまりなかったですね。

一方で、人材紹介会社に自ら登録しようとは思いませんでした。
転職サイト経由で、同業のエージェントからスカウトも多く届きましたが、
実際に「面談をしたい」と思える方は、あまり多くなかったです。

――最終的に、どのように意思決定をされたのでしょうか?

面接官との対話が決め手でした。

選考の途中で、
やはり現職に残った方がいいのではないか、と
思ったこともあります。

一方で、選考が進むにつれて、
面接官の方々と、より具体的な実務レベルの会話ができるようになりました。

その中で、
「この会社、この人たちは、本当に顧客へのサービスの質を追求したいと思って仕事をしているんだな」
と強く感じたことが、最終的な決め手になりました。

加えて、評価制度や、チームで協業できる環境であることも大きかったです。

インセンティブで個人成果を追い続けるよりも、
マーケットを伸ばし、顧客志向を大切にしながら、
チームで協業する方がシナジーを発揮できる。

前職で、未経験者が懸命に頑張っている姿を見てきたからこそ、
心理的安全性のある組織の方が、
結果的に組織力は高くなるのではないかと感じていました。

――いま振り返って、当時のご自身をどう見ていますか?

人事職への転職も考えていました。
ただ、自分の年齢やキャリアを考えると、
選択肢は決して多くないとも理解していました。

また、人事、特にリクルーターやTAの視点で見ると、
自分は人材紹介会社での経験しかなく、
ダイレクトリクルーティングなどの知見は十分ではない。
そうした自己評価もありました。

では、同業の人材紹介専業会社に転職したいかというと、
その気持ちは全くなかったですね。

――近しい境遇の方へ、何か伝えるとしたら?

転職したいと思ったタイミングで、
必ずしも良い求人があるとは限らないと思います。

だからこそ、
日頃からアンテナを張り、
「この会社であれば挑戦したい」と思える企業を
探しておくことが大事なのではないでしょうか。

人材紹介に携わっている人は、
普段から求職者の背中を後押ししています。
自分自身が転職に備えて考えることも、
自然なことだと思います。

また、人材紹介会社は数多くあります。
仮に転職先でうまくいかなかったとしても、
再び人材紹介業に戻る選択肢は残っています。
「この会社であれば挑戦したい!」と思える会社があれば、そのときに考えればいいのだと思います。

編集後記

人材紹介会社と転職サイトの関係性は、
いままさに変化の只中にあるテーマです。

会社方針と、現場で顧客に向き合うコンサルタントの葛藤。
そして、成果を求められる評価制度の中で働くリアルな声を、
今回、伺うことができました。
変化の中で働く一人ひとりが、何を大切にしたいのかを考えるきっかけとして、
この体験を受け取っていただけたらと思います。

— コーリング株式会社

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