コラム

TOP > コラム > 今日からできる転職活動 > 転職体験記|ケース16|人材紹介会社から人材紹介会社へ。40歳で見直した働き方と価値観

転職体験記|ケース16|人材紹介会社から人材紹介会社へ。40歳で見直した働き方と価値観

コーリング株式会社の佐々木陽一です。人材紹介を中心に、人材業界・HR業界における転職支援や採用支援に携わっています。

今回は、40歳で人材紹介会社から人材紹介会社へ転職し、ご自身が大切にしたい働き方や価値観と向き合われた方に、実際のお話を伺いました。

40代で人材紹介会社から人材紹介会社へ転職した背景や、
年収よりも働き方や価値観を優先した意思決定、
転職後に感じた変化について、ご本人の言葉をもとにご紹介します。

なお、このシリーズでは、
必ずしも当社が採用決定までご支援した方のみを取り上げているわけではありません。

実際に転職を経験された方や、
転職活動の途中にいらっしゃる方など、ご本人の了承を得たうえで、実体験を共有しています。

すぐに答えが出る話ではないかもしれませんが、
転職を考え続けている方にとって、
ご自身の状況を整理するための一つの材料になれば幸いです。

プロフィール

・転職者:Oさん
・転職当時:40歳
・転職前:人材紹介会社/シニアコンサルタント
・転職後:人材紹介会社/リクルートメント/キャリアコンサルタント

転職を意識し始めたきっかけを教えてください。

人材紹介という仕事自体は好きでしたし、辞めたいと思っていたわけではありませんでした。

ただ、40歳を迎える頃になり、「このまま今の会社で働き続けたいか」と考える機会が増えていきました。

当時は家族との時間や働き方について考えることも多くなっていました。
一方で、会社の方針や働き方に対して、自分の考え方とのズレを感じる場面も増えていました。

社内では、人材紹介事業で業界ナンバーワンを目指すという方針が掲げられていました。
もちろん、その考え方自体を否定するつもりはありません。

ただ、自分自身は規模や順位を追いかけることよりも、顧客や求職者と中長期で向き合いながら
価値提供を続けていくことにやりがいを感じていました。

人材紹介という仕事は好き。
でも、自分が大切にしたい働き方や価値観とは少しずつ離れていっている。
そんな感覚がありました。

そうした違和感の積み重ねが、転職を意識するきっかけになりました。

転職を決意するきっかけとなった出来事を教えてください。

以前から、会社の方針や働き方に対して違和感を持つことはありました。

そうした中で決定的だったのが、働き方に関する出来事です。

当時、私は家族のこともあり、在宅勤務を希望していました。
しかし、会社のルール上、それが認められませんでした。

もちろん、その判断だけを問題だと思っていたわけではありません。

ただ、それまで感じていた違和感や価値観のズレが、その出来事をきっかけに一気に表面化した感覚でした。

「ああ、自分はこの会社で実現したいことよりも、違う環境で実現したいことの方が大きくなっているんだな」
と感じました。

それが、転職を本格的に考える決定打になりました。

幸い、生活面で無理をしてまで現職に残らなければいけない状況でもありませんでした。
それであれば、自分が納得できる環境を選びたいと思いました。

当時、転職活動はどのように進めていましたか?

実は、積極的に転職活動をしていたわけではありません。
エージェントにも登録していませんでした。

転職先となった会社からは以前から何度かお声がけをいただいていました。

自分のタイミングと会社からのお声がけのタイミングが重なった形です。

また、その会社で働いている知人もいたため、実際の働き方や組織の雰囲気について話を聞く機会もありました。

話を聞くなかで感じたのは、人材紹介の仕事に対する考え方の違いです。

前職は成果や報酬への意識が強い会社でした。
それは良い面でもありますし、実際に報酬面では恵まれていました。

ただ、自分自身は短期的な成果を追うことよりも、顧客や業界を長く担当しながら信頼関係を築き、
その結果として成果を出していくスタイルに魅力を感じていました。

そういった考え方が、転職先の会社とは合っているように感じました。

最終的に、どのように意思決定をされたのでしょうか?

正直に言うと、ほぼ即決でした。

年収は下がりました。
ただ、転職を考えるきっかけになった働き方や価値観の部分は改善できると感じていましたし、
年収は入社後に上げていけばいいと考えていました。

また、人材紹介コンサルタントとして長く経験を積んできたこともあり、「どこへ行ってもやっていける」という自負もありました。

もう一つ大きかったのは、仕事の進め方です。

私は片面型も両面型も経験していますし、両面型だけでも10年以上経験してきました。

そのうえで今だから思うのですが、両面型は構造上、どうしても情報を抱え込みやすい側面があると思っています。

少し言い過ぎかもしれませんが、「両面型を長くやると性格が悪くなる(笑)」くらいの感覚です。

もちろん、本当にそうだと言いたいわけではありません。

前職にも素晴らしい方はたくさんいました。

ただ、自分の担当顧客、自分の担当求人で成約しないと業績にならない以上、
情報を抱え込む力学は少なからず存在すると思っています。

その点、転職先は両面型でありながらクロス成約もありますし、協業が前提の文化があります。

個人としての責任はある。
一方で、チームで成果を出す考え方もある。
そこに魅力を感じました。

また、私自身は人材紹介という仕事において、顧客への価値提供をとても大切にしています。

採用が難航しているのであれば何ができるのか。

転職活動が難航しているのであれば何を提案できるのか。

ケースや事例、マーケット情報も含めて支援したい。
そういった考え方です。

そのためには、自分自身も成長し続けなければいけません。

私は転職先として大手企業を希望していました。
大手だからこそ社員も集まるし、情報も集まる。
ただし、安定維持だけを目指す会社ではなく、挑戦や変革を続けている会社です。

そうした環境で働くことが、結果的に顧客への価値提供にもつながると思いました。

働き方だけではありません。

人材紹介コンサルタントとして、これからも成長できる環境だと感じたことも、意思決定の大きな理由でした。

いま振り返って、当時のご自身をどう見ていますか?

転職して良かったと思っています。

もちろん、年収だけを見れば前職の方が良かった部分もあります。
ただ、それ以上に得られたものがあります。

入社後に感じたのは、仕事の進め方や考え方を学べる環境があることです。
人材紹介業界では、どうしても売上や紹介手数料に目が向きがちです。

しかし現在の会社では、顧客への付加価値やプロセスも評価されます。

また、メンバー同士で学び合う文化もあります。

紹介手数料の高さだけではなく、「どのように顧客へ価値提供したのか」という視点で会話ができる環境は、自分にとって新しい発見でした。

そうした環境に身を置けていることは、自分にとって大きな財産だと感じています。

近しい境遇の方へ、何か伝えるとしたら?

人材紹介会社は数多くあります。
同じ人材紹介業界であっても、大切にしている価値観や評価軸、働き方は本当に違います。

私自身、転職するたびにそれを実感しています。

また、40歳を過ぎると、自分の考え方や仕事のスタイルが固まりやすくなるかもしれません。私自身もそうでした。

転職を考えていた当時、近しい方から言われた言葉があります。

「次も両面型を希望しているけれど、なぜそこまで両面型にこだわるの?」
という言葉です。

そのときは正直、はっとしました。
自分の中で、両面型の方が良いという思い込みがあったからです。

しかし実際に転職してみると、分業型にも素晴らしい方がたくさんいました。
RAにはRAの専門性があり、CAにはCAの専門性があります。

役割が違うだけで、その領域で高い成果を出している方も多くいます。

両面型か分業型か。
そういった枠組みだけで判断してしまうと、可能性を狭めてしまうこともあります。

今の会社には、自分より年上でも変化し続けている方がいます。
若手でも素晴らしい成果を出している方がいます。

そうした方々と働くなかで、自分自身も学び続けたいと思えるようになりました。

転職は環境を変えるだけではありません。
自分の価値観や思い込みを見直す機会にもなるのではないでしょうか。

編集後記

今回のケースは、人材紹介会社から人材紹介会社へ転職された事例でした。

一見すると同じ人材紹介業界内での転職ですが、お話を伺うなかで感じたのは、
人材紹介という仕事を変えるのではなく、その仕事をどのような価値観のもとで行うのかを見つめ直した転職だったということです。

人材紹介という仕事そのものは好きだった。
一方で、働き方や組織の考え方、自分が顧客へ提供したい価値との間に少しずつズレが生まれていた。

今回の転職は、その違和感と向き合った結果の意思決定だったように感じました。

同じ人材紹介業界であっても、会社によって大切にしている価値観や評価軸、働き方は大きく異なります。

だからこそ、「どの会社で働くか」という選択は、想像以上にキャリアへ影響を与えるのかもしれません。

特に40代になると、会社の方針や評価だけでなく、
「自分はどのように働きたいのか」「どのような価値を提供したいのか」と考える場面も増えてきます。

今回のお話は、人材紹介・HR業界で、キャリアと生き方の両方を見つめ直している方にとっても、示唆のある内容だったのではないでしょうか。

 

コーリング株式会社 佐々木陽一
人材紹介を中心に、人材業界(人材紹介・人材派遣・RPO・求人広告・プロシェアリングなど)や、
HR業界(HR Tech・Ed Tech・人事/組織コンサルティング・教育/人材開発など)における転職支援・採用支援に携わる。
人材紹介会社で約19年間、コンサルタント・マネジメント業務に従事した後、事業会社で中途採用・タレントアクイジションを担当。
現在はコーリング株式会社を経営し、人材業界・HR業界のキャリアと採用を支える相談相手として活動している。

 

▶ ご相談・お問い合わせはこちらから(無料)

▶ 転職を検討されている方
→求職者向けお問い合わせフォーム

※人材ビジネス・HR業界への転職・キャリア形成を支援しています。

▶ 企業の採用ご担当者様
→法人向けお問い合わせフォーム

※人材ビジネス・HR業界の中途採用を、人材紹介を中心に採用支援しています。