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インフォーマルリーダーの退職が組織に与える影響とは?──連鎖退職や組織停滞のリスク

コーリング株式会社の佐々木陽一です。人材紹介を中心に、人材業界・HR業界における転職支援や採用支援に携わっています。

組織には、会社から正式に管理職として任命された「フォーマルリーダー」だけでなく、役職がなくても周囲へ影響を与えている「インフォーマルリーダー」がいます。

インフォーマルリーダーは、必ずしも社内で最も高い成果を上げている人や、次の管理職候補とは限りません。

例えば、

・チーム内で自然と相談を受けている

・困っているメンバーへ声をかけている

・部門間の関係を円滑にしている

・職場の雰囲気を明るくしている

・管理職とメンバーの間を取り持っている

といった人も、組織にとって重要なインフォーマルリーダーです。

役職には表れない影響力を持っている

インフォーマルリーダーの影響力は、組織図や役職名だけでは分かりません。

管理職が正式な権限によって組織を動かすのに対し、インフォーマルリーダーは、日々の人間関係や信頼を通じて周囲へ影響を与えています。

仕事で困ったときに相談する相手。

会社や上司への不満を最初に打ち明ける相手。

新しく入社した社員が職場になじむための橋渡しをする相手。

こうした役割は、評価制度や職務記述書には表れにくいものです。

しかし、組織の安定や一体感を支えるうえでは、大きな役割を果たしています。

退職によって組織の空気が変わることがある

インフォーマルリーダーが退職すると、経営層や管理職が想像している以上に、組織へ影響が広がる場合があります。

特に注意したいのが、周囲の社員に与える心理的な影響です。

信頼されている社員が退職すると、チームメンバーは、

「あの人が辞めるということは、何か理由があるのではないか。」

「自分も今後の働き方を考えた方がよいのではないか。」

と考えることがあります。

インフォーマルリーダー本人が退職を勧めていなくても、その退職が周囲にとって一つのシグナルとなり、転職や退職を考えるきっかけになる可能性があります。

連鎖退職だけがリスクではない

インフォーマルリーダーの退職によるリスクは、連鎖退職だけではありません。

その人が担っていた役割が失われることで、

・チーム内の相談相手がいなくなる

・部門内の情報共有が滞る

・メンバー同士の関係が希薄になる

・新入社員が組織になじみにくくなる

・管理職が現場の状況を把握しにくくなる

といった変化が起こることもあります。

表面的には業務が継続していても、以前よりも相談や連携が減り、組織の活力が少しずつ低下していくことがあります。

同じ役割を外部採用で補うのは簡単ではない

インフォーマルリーダーには、人から信頼される人柄や、周囲を動かす個性があります。

こうした特徴は、職務経歴書や面接だけでは見極めにくく、同じ役割を担える人材を外部からすぐに採用できるとは限りません。

また、新たに入社した人が組織内で信頼を得るまでには時間がかかります。

そのため、退職者の業務を引き継げたとしても、組織内で担っていた非公式な役割までは、短期間で引き継げないことがあります。

管理職は「誰が組織を支えているか」を把握する

インフォーマルリーダーの存在を把握するためには、業績や役職だけで社員を見るのではなく、日常の関係性にも目を向けることが重要です。

例えば、

・誰に相談が集まっているか

・誰が新しいメンバーを支えているか

・誰が部門間の調整を行っているか

・誰の発言が周囲へ影響しているか

・誰が職場の雰囲気を支えているか

を観察することで、組織を実質的に支えている人が見えてきます。

重要なのは、インフォーマルリーダーをすぐに管理職へ昇格させることではありません。

本人の希望や適性を踏まえながら、その貢献を認識し、負担が集中していないか、組織への不満を抱えていないかを確認することが大切です。

見えにくい貢献を見落とさない

インフォーマルリーダーの価値は、売上や評価点数だけでは測れません。

周囲から信頼され、相談を受け、職場の関係性を整えている人は、組織の安定や成長を見えないところで支えています。

その人が退職してから重要性に気づいても、すぐに元の状態へ戻せるとは限りません。

管理職や人事は、正式な役職者だけでなく、実際に誰が組織を支え、周囲へ良い影響を与えているのかを日頃から把握しておく必要があります。

インフォーマルリーダーの存在と貢献を理解することは、離職防止だけでなく、組織の持続的な成長を考えるうえでも重要です。

 

コーリング株式会社 佐々木陽一
人材紹介を中心に、人材業界(人材紹介・人材派遣・RPO・求人広告・プロシェアリングなど)や、
HR業界(HR Tech・Ed Tech・人事/組織コンサルティング・教育/人材開発など)における転職支援・採用支援に携わる。
人材紹介会社で約19年間、コンサルタント・マネジメント業務に従事した後、事業会社で中途採用・タレントアクイジションを担当。
現在はコーリング株式会社を経営し、人材業界・HR業界のキャリアと採用を支える相談相手として活動している。

 

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