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転職体験記|ケース13|専門商社から外資系メーカーへ。27歳の転職活動で見えた「エージェントの違い」

コーリング株式会社 代表取締役 佐々木です。

今回は、ある方の転職活動について、実体験を伺いました。

なお、このシリーズでは、
必ずしも当社が採用決定までご支援した方のみを取り上げているわけではありません。

実際に転職を経験された方や、
転職活動の途中にいらっしゃる方など、ご本人の了承を得たうえで、実体験を共有しています。

すぐに答えが出る話ではないかもしれませんが、
転職を考え続けている方にとって、
ご自身の状況を整理するための一つの材料になれば幸いです。

プロフィール(匿名)

・転職者:Mさん
・転職当時:27歳
・転職前:専門商社の営業
・転職後:外資系メーカーの営業

――転職を意識し始めたきっかけを教えてください。

専門商社に入社後、営業として複数の商材を担当していました。
例えば、エクステリア用品をホームセンター向けに提案するなどの業務です。

工具や金物、園芸用品などの新製品に関するBtoB向けの国際見本市や展示会が年に数回あり、
海外から来場される方と接する機会もありました。

ただ、自分は英語を話せるわけではなく、十分にコミュニケーションが取れない場面もありました。

また、社内で商品開発を担う部署へ異動するためにも英語力が求められており、必要性を強く感じるようになりました。

仕事を続けながら日本で英語を学ぶこともできたとは思いますが、
今だからできる挑戦だと考え、退職して海外で語学留学をする決断をしました。

――すぐにキャリアチェンジしたいと思いましたか?

会社には、海外で英語を学びたいという意思を伝えました。
引き止めもありましたが、自分で決めたことでもあり、最終的には退職し、約1年強を海外で過ごしました。

これまでとは異なる環境の中で、英語だけでなく異文化にも触れることができ、とても良い経験だったと感じています。

――当時、転職活動はどのように進めていましたか?

転職活動は、日本に帰国してから始めました。
軸としていたのは、英語力を活かせる、もしくはさらに伸ばせる環境であることです。
商社やメーカーでの国内外営業職を中心に、商材は限定せず、日系・外資の両方を視野に入れていました。

転職サイトに登録し、届いたスカウトに目を通しながら進めていきました。
正直、スカウトの数は非常に多く、すべてに返信したり面談を申し込むことは現実的ではありませんでした。

そのため、人材紹介会社やヘッドハンターからのスカウトについては、
表示されている評価やランクに加え、文面の内容を見て判断していました。
自分の志向を理解してくれているか、希望に沿った提案の可能性があるかを基準に、会う方を選んでいました。

活動の中では、商社やメーカー以外の案件も検討しましたが、判断軸の一つはやはり「英語」でした。

一方で、SaaSなど採用意欲の高い領域の案件を提案されることもありましたが、自分の志向とは異なっていたため、返信は控えていました。

帰国直後は無職の状態で、現職と比較して選べる状況ではなかったため、不安もありました。

そのため序盤は、軸に合致する可能性があると感じたエージェントさんとは積極的に面談していましたが、次第に紹介求人が重複してくるようになり、「これ以上増やす必要はない」と感じるようになりました。

中盤以降は、信頼できる複数社に絞ってコミュニケーションを取っていました。

――そういったなかで、人材紹介会社/コンサルタントにはどのようなことを期待していましたか?

多くの方とお会いする中で、「両面型」の支援に期待するようになりました。
片面型や分業型のエージェントからも多くの求人を紹介いただきましたが、
「なぜ自分にこの求人なのか」という背景や意図も含めて知りたいと感じていました。

また、応募企業の情報を踏まえたうえで、自分の不安や考えに寄り添い、面接対策までしっかり支援してもらえることも期待していました。

結果として、そのエージェントさん経由での入社には至りませんでしたが、面接対策を非常に丁寧に行ってくださった方もいて、今でも良い印象として残っています。

一方で、もどかしさを感じた場面もありました。

例えば、自分が応募したいと伝えたにもかかわらず、「これまでの選考傾向から難しいと思います」と、
チャレンジの機会を得られなかったケースです。
企業側の要件を踏まえた判断であることは理解できるものの、
求職者としては挑戦したい気持ちもあり、複雑な思いがありました。

また、事前に履歴書や職務経歴書を提出しているにもかかわらず、
面談の場で初めて目を通すような対応をされることもありました。

そのような経験を通じて、信頼できる方と、そうでない方の違いははっきりと感じるようになりました。

――最終的に、どのように意思決定をされたのでしょうか?

活動の軸であった「英語」「商社またはメーカー」「営業職」という点は最後まで変わりませんでした。
複数社から内定をいただきましたが、以下の点を総合的に見て判断しました。

・業界内でのポジショニング
・具体的な仕事内容
・年収(提示額だけでなく、将来的な伸びしろ)
・次の転職を見据えたキャリアの広がり
・選考を通じて接した社員の方との相性

――ここでも、人材紹介会社/コンサルタントに対して思うことがあったのですよね?

内定をいただいた2社で非常に悩みました。
それぞれ異なるエージェントさん経由で進めており、両方に率直に相談しました。

一方のエージェントさんは、「大事な意思決定なので一緒に考えましょう」と言ってくださり、
自分の悩みを一つずつ整理しながら対話を重ねてくれました。

もう一方のエージェントさんは、「その会社はあまりおすすめしない」といった否定的な情報を中心に話されることが多く、自分の意思整理というよりも、特定の選択肢へ誘導されているように感じました。

その違いは、意思決定の場面で非常に大きかったと感じています。

――いま振り返って、当時のご自身をどう見ていますか?

率直に、良い選択だったと思っています。
前職は安定した大きな会社でしたが、退職して語学留学をした経験は、自分にとって大きな財産になりました。
転職活動自体も不安はありましたが、納得感を持って進めることができたと思っています。
複数の内定をいただく中で、承諾期限の違いやスケジュール調整の難しさも経験しましたが、
結果として良い転職先に出会うことができました。

――近しい境遇の方へ、何か伝えるとしたら?

できるだけ多くの人と会うことをおすすめしたいです。
人と会うことで、視野や考え方は大きく広がると感じました。

同じ会社の中だけで人間関係が完結していると、価値観も似通いやすく、
自分の可能性や選択肢を狭めてしまうこともあるかもしれません。

今回の転職活動でも、人材紹介会社ごとに持っている情報は異なり、エージェントとの対話から学ぶことも多くありました。

自分としては、後悔しない意思決定をするために、できる限り情報を集め、多くの人と会い、考え抜いたつもりです。

そのプロセスを経て選んだという納得感は、結果だけでなく、その後の適応力や行動にもつながっていると感じています。

今後、想定外の出来事や困難に直面することがあったとしても、
「自分で選んだ」という実感が支えになるのではないかと思います。

編集後記

今回のケースは、語学留学という選択を経てキャリアチェンジを実現された事例でした。

印象に残ったのは、転職活動そのものだけでなく、その過程で接した人材紹介会社やコンサルタントに対する期待と違和感が、とても具体的に語られていた点です。

スカウト文面の内容や精度で「会うかどうか」を判断していたこと、
「なぜこの求人を自分に提案するのか」という意図や背景を求めていたこと、
そして意思決定の場面で「一緒に整理してくれる存在」と「特定の選択に誘導する存在」の違いを明確に感じていたこと。

どれも、求職者側から見たときのリアルな評価基準だと感じました。

また、事前に提出している職務経歴書に目を通していないまま面談に入る対応や、チャレンジ応募の機会が得られなかった場面など、些細に見える一つひとつの対応が、信頼に大きく影響していることも印象的でした。

人材紹介の仕事は、求人を紹介すること以上に、求職者の意思決定にどのように関わるかが問われる仕事でもあります。

今回のお話は、日々の対応やスタンスがどのように受け取られているのかを、改めて考えさせられる内容だったのではないでしょうか。

― コーリング株式会社 佐々木陽一

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