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転職体験記|ケース10|分業型から両面型へ。人材紹介コンサルタントが働き方を見直して選んだ転職

コーリング株式会社 代表取締役 佐々木です。

今回は、ある方の転職活動について、実体験を伺いました。

なお、このシリーズでは、
必ずしも当社が採用決定までご支援した方のみを取り上げているわけではありません。

実際に転職を経験された方や、
転職活動の途中にいらっしゃる方など、ご本人の了承を得たうえで、実体験を共有しています。

すぐに答えが出る話ではないかもしれませんが、
転職を考え続けている方にとって、
ご自身の状況を整理するための一つの材料になれば幸いです。

プロフィール(匿名)

・転職者:Jさん
・転職当時:30歳
・転職前:大手人材サービスグループ人材紹介/分業型コンサルタント
・転職後:大手人材サービスグループ人材紹介/両面型コンサルタント

――転職を意識し始めたきっかけを教えてください。

人材ビジネスは、業界の特性として一定の離職がある仕事だと感じています。
それ自体が悪いことだとは思っていませんが、お世話になった方々の退職がたまたま重なった時期がありました。

私自身、入社以来がむしゃらに仕事に向き合ってきましたが、
その出来事は自分のキャリアを改めて考えるきっかけにもなりました。

また、会社は上場企業でもあり、株主からの期待も高く、業績責任が非常に大きい環境でした。
個人業績は比較的良かったこともあり、退職したメンバーの予算を補うような形で、
さらに高い目標達成が期待されるようになりました。

そうした状況の中で、朝から晩まで働くような日々が続いていました。
インセンティブもありましたが、時給換算で考えると決して高いとは言えず、
ワークライフバランスについても見直したいと感じるようになりました。

――違和感が決定的になった出来事はありましたか?

報酬面というよりも、組織の状況でした。

退職者が続いている以上、何かしら原因があるのではないかと考え、
既存社員の業務量や労働時間について自分なりに提言をしていました。
ただ、組織というのは簡単には変わらないものでもあります。

業務量も多く、書類推薦や面接対応など、日々かなりの件数の進捗を回していました。
その状況が数年続くと、新しい刺激が少なくなり、過去の経験である程度対応できてしまう感覚も強くなっていきました。

そうした状況もあり、環境を変える選択、転職を決意しました。

――当時、転職活動はどのように進めていましたか?

転職サイトには登録しました。抵抗感はありませんでした。

ただ、結果的にスカウトにはほとんど反応できませんでした。
単純に業務が忙しく、届くスカウトを読むことや返信すること、面談の時間を確保することが難しかったためです。

また、この業界には知り合いや過去に仕事をともにした仲間も多くいます。
最終的には、そうしたご縁からリファーラル採用という形で転職することになりました。

――最終的に、どのように意思決定をされたのでしょうか?

当時、人材紹介の仕事には自信を持っていました。

ただ、これまでのキャリアは分業型の中での片面業務が中心だったため、
両面型のコンサルタントとして挑戦してみたいという思いがありました。

また、評価制度やインセンティブ制度も明確で、年収面でも現職を下回るイメージはありませんでした。

さらに、進捗業務についても、分業型で大量に回す形ではなく、両面型であるがゆえに件数は抑えながら、
より丁寧な対応をしている印象を受けました。

ワークライフバランスの面でも改善が期待できると感じ、総合的に見て現職以上の環境だと判断し、入社を決めました。

――いま振り返って、当時のご自身をどう見ていますか?

転職は良い意思決定だったと思っています。総合的に満足しています。

仕事にも充実感を感じながら、働き方の自由度も高い環境を選ぶことができました。
家族と旅行に行く時間も持ちたいですし、そうした生活とのバランスも大切にしたいと思っています。

実際、好きな人材紹介の仕事を続けながら、リモートワークやフレックス制度も活用でき、
有給休暇も柔軟に取得できています。就業時間は以前と比べて確実に減り、家族と過ごす時間も増えました。

また、入社後に感じたのは、前職と比べてまだこれからの成長フェーズにある会社だということです。
求人や求職者をさらに増やしながら、顧客満足度やレピュテーションを高めていく段階にあります。

そうした環境も楽しみながら、仕事に取り組めています。

――近しい境遇の方へ、何か伝えるとしたら?

人材紹介は参入障壁が低い業界でもあり、プレイヤーや競合も多いですよね。

景気や経済状況だけでなく、プラットフォームの変化など外部環境の影響も受けやすい業界です。
だからこそ、人材紹介コンサルタントには「再現性」が重要だと感じています。

なぜ今回は成約に至ったのか。なぜ採用決定につながったのか。
その一つひとつの支援を分解し、自分がどのように考え、どのように行動した結果なのかを振り返ること。

仮説を立て、振り返り、再現性を磨いていく。この積み重ねが、自分自身の成長につながり、
顧客から信頼されるコンサルタントになるために重要だと考えています。

また、私は片面を経験した上で両面型の仕事をしています。
その経験があることで、競合他社の営業の動きや注力度合いなども見えるようになりました。

分業か両面か、どちらが良いということではなく、自分なりの「再現性」を持つことが、この業界では大切だと実感しています。

編集後記

今回のケースは、人材紹介業界の中で、働き方とキャリアのバランスを見直した転職事例でした。

印象的だったのは、「より多くの件数を回す環境」で培った経験を土台にしながら、
さらに一つひとつの支援を振り返り、再現性を高めていくという仕事観を大切にされている点点でした。

人材紹介という仕事は、成果が数字で表れる一方で、その裏側には多くの試行錯誤や振り返りがあります。
今回のお話からは、自身の支援を分解し、仮説を立て、振り返りながら再現性を高めていく姿勢が、
業界で長く成果を出し続けるうえで重要な視点であることを改めて感じました。

働き方やキャリアのあり方を見直したいと考えている人材紹介コンサルタントにとっても、
一つの参考になるケースではないでしょうか。

― コーリング株式会社 佐々木陽一

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