転職体験記|ケース07|40歳、コンフォートゾーンを抜けるために選んだ転職|人事としての新しい学び

コーリング株式会社 代表取締役 佐々木です。
今回は、ある方の転職活動について、実体験を伺いました。
なお、このシリーズでは、
必ずしも当社が採用決定までご支援した方のみを取り上げているわけではありません。
実際に転職を経験された方や、
転職活動の途中にいらっしゃる方など、ご本人の了承を得たうえで、実体験を共有しています。
すぐに答えが出る話ではないかもしれませんが、
転職を考え続けている方にとって、
ご自身の状況を整理するための一つの材料になれば幸いです。
プロフィール(匿名)
・転職者:Gさん
・転職当時:40歳
・転職前:人材紹介会社/採用・育成責任者
・転職後:教育・学習サービスを展開する国内大手企業/人事 管理職
――転職を意識し始めたきっかけを教えてください。
振り返ると、自分がコンフォートゾーンにいる感覚がありました。
勤続年数も長くなり、周囲からこれまでの経験を頼られる機会は多かったです。
信頼してもらえることはありがたかった一方で、自分自身では「成長を感じられていない」と実感することも増えていました。
客観的に見ても、いまの環境が安心できる場所になっていることは理解していましたし、だからこそこのままでいいのか、と考えるようになりました
――違和感が決定的になった出来事はありましたか?
自分なりに、環境を変えようともがいていました。
過去の自分と比べると、成長スピードが落ちている、あるいは止まっているような感覚がありました。
仕事に目的や意味を見出し、自分のありたい姿に近づくために、異動願を出したり、新しいプロジェクトに手を挙げたりもしました。
会社はそうした希望を受け入れてくれ、実際に新しい仕事にも携わることができました。
ただ、それでも「コンフォートゾーンから抜け切れていない」という感覚は残っていました。
仕事自体は新しくなっても、あくまで同じ会社の中での変化です。
人事として関わる社内のステークホルダーが変わることはあっても、本質的な成長実感にはつながりませんでした。
そうしたタイミングで上司が変わったことも、一つの転機でした。
新しい視点や学びを期待していたのですが、結果としては自分が求めていた成長機会とは少し方向性が異なっていました。
環境の変化を経験してもなお、「次のチャレンジは社外にあるのではないか」という思いが強まり、転職を決意しました。
――当時、転職活動はどのように進めていましたか?
業界柄、転職サイトや人材紹介会社に登録することには多少の抵抗感もありましたが、次のキャリアでも人事職を希望していたので、その案件を得るために、まずは一般的な方法で活動を始めました。
スカウトのあった人材紹介会社とも面談をしましたが、紹介された求人には応募しようとは思いませんでした。
求人とのマッチ度の問題もありましたが、自分自身が人材紹介業にいた経験があるからこそ、コンサルタントからの進め方やアドバイスがあまり刺さらなかったというのもあります。
たとえば、「ベンチャーに行くと大手には戻れないですよ」といった一般論が中心で、個別の背景や考えを深く聞いてくれる人は少なかった印象です。
もう少し、自分自身の話を前提にした対話ができることを期待していました。
――最終的に、どのように意思決定をされたのでしょうか?
軸は明確で、まず人事職であること。
そのうえで、コンフォートゾーンからどれだけチャレンジできるかが重要でした。
加えて、現職より規模の大きい会社を選びたいと考えていました。
会社規模が大きくなることで、挑戦できる選択肢や難易度も上がり、自分の成長につながると考えたからです。
また、家族にも納得してもらったうえで転職したいという思いがあり、説明できる会社であることも大切な要素でした。
やりがいだけを理由に、現職より大幅に条件を下げるような選択は考えていませんでした。
・混沌とした環境でチャレンジできること
・条件面も納得できること
その両方が揃った結果、現在の会社とのご縁があり、入社を決意しました。
――いま振り返って、当時のご自身をどう見ていますか?
少しだけ、浅はかだったかなと思う気持ちはあります。割合で言えば10%くらいでしょうか。
転職して仕事にも慣れ、いまだからこそ思えることです。
当時は「自分なら何とかなるだろう」と考えていましたが、実際に入ってみると社内には本当に優秀な人が多く、自分の基礎力やビジネスパーソンとしての土台の違いを痛感する場面もありました。
人材紹介会社にいた経験があるからこそ分かりますが、転職市場には本当に優秀な方が登録してきます。
まさにそういったレベルの方々と日々一緒に働いている感覚です。
今回の転職には満足しています。
前職時代には、資格取得の勉強やビジネススクールへの通学、本やケーススタディを通じて学びを積み重ねてきました。
しかし、会社が変わればビジネスモデルも勝ち筋も変わり、使う筋肉もまったく違います。
学んできたことを否定するつもりはありませんし、机上の空論だったとも思いません。
ただ、実際に環境を変えてみることで、学びがどう活きるのかを身体で理解できた感覚があります。
そう考えると、転職回数が多い人は選考の場で敬遠されることもありますが、異なる環境で得た経験という意味では、もっと評価されてもいいのではないかと感じています。
――近しい境遇の方へ、何か伝えるとしたら?
私は40歳を過ぎてからの転職でしたが、転職は成長につながると実感しています。
同じ職種であっても、業界やスピード感が変われば、求められる役割や意思決定の質は大きく変わります。
実際に環境を変えてみて、結果的に自分の視野が広がったと感じています。
一歩外に出てみることでしか得られない学びが、確かにあると思います。
もちろん、転職を過度に勧めたいわけではありません。今いる環境で挑戦できるのであれば、それも素晴らしい選択だと思います。
ただ、自分の成長が止まっているかもしれないと感じるのであれば、もう少し挑戦してみてもいいのではないか――そんなふうに、個人的には思っています。
編集後記
今回のケースで印象的だったのは、コンフォートゾーンから抜け出すために、まず社内でできることを試していた点でした。
異動や新しい挑戦を重ね、それでもなお残った違和感。
そのプロセスがあったからこそ、転職という選択が自然な流れとして語られていたように感じます。
そして転職後には、前職では出会えなかったレベルの優秀な人材と働くことで、自身の基礎力や視野に新たな気づきが生まれていることも印象的でした。
環境を変えることは、過去を否定することではなく、これまでの経験を別の場所で再解釈することなのかもしれません。
同じように成長について考えている方にとって、ひとつの参考になれば幸いです。
― コーリング株式会社 佐々木陽一
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