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「“3点あります”は便利?──企業との打ち合わせで意識したい、質問の構造と相手の思考負荷」

コーリング株式会社 代表取締役 佐々木です。
今回は、企業との打ち合わせ時における「質問の仕方」について整理します。

「3点あります」と伝えるメリット

たとえば、
「●●●について、3点ほど伺えればと思います。」
「まず1点目は○○、2点目が○○、3点目は○○です。」

このように“3点あります”と先に伝えることで、
相手は構造的に答えを整理しやすくなります。

また、“3点あります”と提示することで、
質問の全体像を理解しやすくなる点もメリットです。

ただし、いくつか注意したいポイントもあります。

注意点①:「3点あります」が論理的な構造になっていないケース

例えば、
「今回の“採用背景”について、3点伺えればと思います。
まず1点目が“募集背景”、2点目が“現在の組織体制”、
3点目が“今回採用する方に期待している役割”です。」

一見、“採用背景”を分解しているように聞こえますが、
実際には3つの“独立した質問”です。

それであれば、

「採用背景について教えてください。」
→ 回答を受けたあとで、
「ありがとうございます。続いて、“現在の組織体制”についても伺ってもよろしいでしょうか?」

と進めたほうが、会話として自然です。

注意点②:「質問が3点ございます」パターン

“3点あります”と伝えることで、相手が構造的に答えやすくなる半面、
相手に「3つ同時に覚える負担」を与えることがあります。

実際、
「以上が1点目と2点目の回答で、えーっと、3点目の質問は何でしたっけ?」
というやりとり、経験ありませんか?

当然、相手は慎重に言葉を選びながら答えています。
まとめて質問を受けると、想像以上に負担になることがあるんです。

質疑応答の場でも起こりがちな“時間ロス”

もう1つ、エージェントの方なら思い当たる場面があるかもしれません。
求人説明会などでの質疑応答です。

質問が多いのは歓迎されますが、複数名が参加している場では、
「3点伺えればと思います。まず1点目は…2点目は…3点目は…」
という形だと、この一言で、実は意外と時間を取ってしまいます。

さらに、もし回答者が「3点目の質問は何でしたっけ?」となると、
それを再度伝えるだけで、また時間がかかります。

この場合は、
「質問は○○です。」
→ 回答をもらったら「ありがとうございます。では○○についても伺えますか?」
のように、ひとつずつやり取りしたほうが、
スピーディーで、他の参加者にも時間をまわせるかもしれません。

まとめ

“3点あります”は便利な言い回しですが、
「相手が答えやすくなる構造化」か、
「相手に負担をかける構造化」かは、聞き方や場面によって変わります。

会話の“構造”を整えることは大事ですが、
同時に、“相手の思考負荷にも配慮する”視点も持っておきたいですね。

— コーリング株式会社

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