候補者が辞退したとき、人材紹介会社は何を伝えるべきか──採用担当者との信頼関係を築く連絡とは

コーリング株式会社の佐々木陽一です。人材紹介を中心に、人材業界・HR業界における転職支援や採用支援に携わっています。
採用担当者の方とお話ししていた際、このような相談を受けました。
「少しモヤモヤすることがあって…。ある人材紹介会社から届いた辞退メールについて、どう思いますか?」
話題になったのは、候補者が選考を辞退した際の連絡内容です。
実際の文面とは異なりますが、イメージとしては次のような内容でした。
「A様ですが、併願先企業への入社を決められたため辞退となりました。誠に申し訳ございません。別の候補者をご紹介できるよう引き続き人選に努めます。今後ともよろしくお願いいたします。」
一見すると丁寧なメールですが、採用担当者には少し引っかかる点があったそうです。
採用担当者が知りたいのは「次の候補者」より「今回の辞退理由」
採用担当者が最も気になっていたのは、この一文でした。
「別の候補者をご紹介できるよう引き続き人選に努めます。」
もちろん、新たな候補者を紹介してもらえることはありがたいことです。
しかし、その前に知りたいのは、
「今回、なぜ辞退になったのか」
という情報でした。
採用担当者は社内で募集部門へ状況を報告し、今後の採用活動を検討する立場です。
だからこそ、
・候補者が辞退した理由
・選考中に感じていたこと
・他社との比較で重視した点
などの情報が、次の採用活動につながる重要な材料になります。
「よろしくお願いします」で終わると会話が止まってしまう
もう一つ印象に残ったのが、メールの締めくくりでした。
「今後ともよろしくお願いいたします。」
もちろん、この表現自体に問題があるわけではありません。
ただ、この一文で終わってしまうと、
・辞退理由について一緒に考える
・今後の採用活動をどう進めるか相談する
・他に紹介できそうな人材像を整理する
といった対話につながりにくくなります。
採用担当者としては、「辞退」という一つの出来事をきっかけに、次の採用成功へ向けた会話をしたいと考えていることも少なくありません。
辞退連絡も採用支援の一部
人材紹介会社によっては、
・採用担当者の時間を奪わないようメールで連絡する
・できるだけ早く辞退を伝える
といった配慮から、このような連絡になることもあるでしょう。
それでも、辞退連絡は単なる事務連絡ではありません。
採用担当者にとっては、採用活動を振り返り、次の一手を考えるための大切な情報共有の場でもあります。
だからこそ、
・なぜ辞退になったのか
・今後どのような候補者をご紹介できそうか
・必要であれば採用要件や進め方も一緒に見直せないか
といった視点まで添えられると、人材紹介会社としての価値はさらに高まるのではないでしょうか。
コーリング株式会社 佐々木陽一
人材紹介を中心に、人材業界(人材紹介・人材派遣・RPO・求人広告・プロシェアリングなど)や、
HR業界(HR Tech・Ed Tech・人事/組織コンサルティング・教育/人材開発など)における転職支援・採用支援に携わる。
人材紹介会社で約19年間、コンサルタント・マネジメント業務に従事した後、事業会社で中途採用・タレントアクイジションを担当。
現在はコーリング株式会社を経営し、人材業界・HR業界のキャリアと採用を支える相談相手として活動している。
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